ある春の日暮れの時のことです。人里離れた山道を一人の商人(あきんど)が心細そうに先を急いでいると、誰か前を行く者がいます。道連れができたと喜んで商人がその男に追いついて声をかけると、振り向いた男は、なんと両目ともかたくふさがった盲でした。商…
昔、昔、江戸の境町は、たくさんの芝居小屋が立ち並んで、それは賑やかな所でした。それぞれの小屋には人気役者の絵看板が張り出されていて、見とれて立ち止まる人のかたまりがあちこちにできています。そんな中を、一人の綺麗な町娘が、下駄の鈴を鳴らしな…
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